「Webディレクターの仕事内容が知りたい」
そんな方に向けて、現役Webディレクターの僕が経験談も交えながらお話します。
Webディレクターの仕事内容
WebディレクターはWeb制作の現場監督。
では、Web制作の現場監督はいったい何をやっているのか?
業務別に説明します。
企画・提案
企画・提案の仕事はWebディレクターの仕事でかなり大事な仕事。
なぜならWebディレクターの仕事は「仕事を受注すること」から始まっているからです。
お客さんの課題をよく聞いて、要望を叶える企画を練り込み、お客さんが納得できるように企画の意図をしっかり伝えることが大事。
年齢・性別などのターゲットユーザーを具体化したり、競合他社のサイトやLP・マーケティング施策を調べたり、ターゲット顧客の関心や普段検索しているキーワードを調べたり、アンケートを取ってみたり、デザイナーに提案用のデザインやデモサイトを作ってもらったり、提案職にまとめる、などなど。
お客さんの規模や予算、温度感、納期など、状況に応じて企画を考え、提案します。
企画・提案の仕事は新規のプロジェクトが始まる前や、プロジェクト運用中の3か月・半年・1年などの区切りのタイミングで行うことが多いです。
プロジェクト管理
プロジェクト管理の仕事について説明します。
「そもそもプロジェクトって何?」ってなると思いますが、お客さんの依頼に応える1つ1つの施策のことです。
ホームページを作って欲しい、Webメディアを運用して欲しい、アクセス解析して欲しい、新商品が出るのでPRページを作って欲しい、Twitterを運用して欲しい、広告を出したい、など。
これら1つ1つのプロジェクトの人・モノ・カネを最適化する仕事です。
たとえば、プロジェクトの制作工数を計算して、制作チームを作る(場合により外注先企業に依頼する)、制作物のゴールを決めて品質と納期を守る、お客さんの予算と制作費用で折り合いがつくように交渉する、などを行います。
運用・更新
Webディレクターが担当するプロジェクトには単発型か運用型かの2つがあります。
- 単発型:期間限定で行う、Webページを作る・キャンペーンを行う案件
- 運用型:毎月行う、サイト・SNS・広告などの運用をする案件
単発型のプロジェクトは、企画・提案して受注するところから、作って納品するまでの仕事です。
運用型のプロジェクトは、毎月やることが決まっていて、半年とか1年ごとに契約内容を見直しします。
運用・更新の仕事がこちらになります。
毎月、お客さんの原稿を元に記事ページを投稿する、アクセス解析レポートを出す、毎月定例会を開いて次月の企画を考えるなどがあります。
サイト運用中のお客さんから、キャンペーンや特集ページの作成などの単発型のプロジェクトが入ってくることも多いです。
Web制作
Webディレクターの仕事は現場監督として立ち回ることが多いですが、会社や担当案件によってはWeb制作をすることもあります。
Web制作とは、Webデザインを作ることや、コーディング(プログラミング)をしてWebサイトを作ることです。
ただし、Webデザインもコーディング(プログラミング)もWebデザイナーやコーダー(フロントエンドエンジニア)が行う業務でもあるため、会社や担当案件によるところが多いです。
WebディレクターのデザインスキルやWeb構築スキルがあることが前提にもなります。
そこまでのWeb制作はしなくても、Webデザインの土台となるワイヤーフレームを作ったり、ブログのアイキャッチ画像を作る、SNS用のバナーを作る、見出しコピーを考える、などは通常業務として任されることが多いです。
コンテンツ作り
Webディレクターはコンテンツ作りを担当することがあります。
コンテンツ作りでは、会社のホームページの原稿を考えたり、ブログ記事を書いたり、LP原稿、メルマガ原稿、取材・インタビュー、SNSの原稿、動画作りなどさまざま。
これらはクリエイターやライター、編集者の領域ですが、たとえば運用型案件でWebディレクターが記事投稿を任される、新規サイト/LP作りでサイトのコピーやライティングを依頼されるなどのケースがあります。
Webマーケティング
WebディレクターはWebサイトを作るのが主な仕事ですが、会社や担当案件によってはWebマーケティングも担当します。
WebマーケティングはSEO対策、広告運用、SNS運用、サイト改善、メールマーケティングなどの手法があります。
ただ、Web制作がWebデザイナーやWebエンジニアが専任で担当することが多いように、WebマーケティングもWebマーケターが専任でやることが多い仕事です。
こちらもWebディレクターのWebマーケティングスキルがあることが前提になります。
また、Webマーケティングは領域が広いので、得意な分野を任されることのが一般的です。
Webディレクターはドキュメント作成が多い
Webディレクターの仕事はドキュメント作成がとても多いです。
Webディレクターが普段作る書類はざっとこんな感じ。
- 見積書
- 企画書(提案書)
- WBS(スケジュール表)
- ワイヤーフレーム(構成案)
- デザインガイドライン
- コーディングガイドライン
- 納品チェックリスト
- マニュアル など
しかも、1つ1つの書類がヘビー級で、結構な更新頻度を誇るのが特徴。
これまで僕が経験した中では、120ページに及ぶ提案書作りが1番の思い出ですね。
簡単に言うと、ホチキスの針が通らない厚さの提案書を作った、という思い出です(笑)
1年をかけてWeb制作をする大規模リニューアルプロジェクトのコンペで披露するための提案書で、デザイン・システム・コンセプト・市場調査・制作工程などを3か月かけてWebディレクター3人+ユーザー調査チーム+営業担当+デザイン会社2社など、非常に大がかりな提案書を作ったものです。
添付資料まで含めると150ページ超にはなったかと、、。
こんだけがんばって受注した、となれば王道の成功エピソードですが、ここまで作り込んで失注したのは青汁よりも苦い思い出です(苦笑)
Webディレクターの仕事の流れ
Webディレクターの仕事の流れは、基本的にどの案件も企画・提案フェーズ→制作フェーズ→運用フェーズへと進みます。
- 企画・提案フェーズ:お客さんの要望を聞いて、企画を作り・提案する。受注するのが目的。
- 制作フェーズ:企画・提案内容を元に、Webデザイン→Web構築→納品まで行う。予算・メンバー・品質・納期を管理。
- 運用フェーズ:Webサイトを更新・新規ページ作成する。SNS運用・広告運用・アクセス解析することもある。
企画・提案→制作→運用と大きな流れは変わりません。
とてもシンプルで分かりやすいですね。
補足すると、企画・提案フェーズだけ行うこともあれば、企画・提案フェーズはお客さんの方でして制作フェーズから進めるパターンとか、サイトが出来上がってる状態で運用フェーズから受け持つことなどもあります。
Webディレクターは会社や担当案件によって仕事内容が変わる
ここまでお話してきたように、Webディレクターは会社や担当案件によって仕事内容が変わります。
カメレオンみたいに置かれた環境に適応して働く仕事です。
中でも仕事内容に大きく影響するのが会社のビジネスモデル。
事業会社か制作会社かでかなり分かれます。
- 事業会社:自社サイトに狭く・深く携わる
- 制作会社:お客さんのサイトに広く・浅く携わる
事業会社だと自社サイトの運用がメインになるため、案件のバラエティは少なくなりますが、その分長く・深く関わる傾向があります。
制作会社だと基本的にクライアントのサイトを作る・運用することがメインになり、広く浅く携わる傾向があります。
どこまで任されるか?については会社規模も影響します。
- 大企業の場合:Webディレクターは進行管理をメインに担当し、企画・提案→Webプロデューサー/Webプランナー、制作→Webデザイナー、コーダー(エンジニア)と分業制になることが多い。
- 中小企業の場合:Webディレクターが企画・提案、制作、運用まで担当する。進行管理業務に加えてデザインやコーディング、ライティングなどの実制作まで任されることも多い。
Webディレクターを目指している方はこちらの記事を見てください。

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