離職率は何パーセント以下ならホワイトの目安?・・・そんな疑問ありませんか?
結論。新卒の3年以内離職率が30%以下、年度別の離職率が15%以下がホワイトの目安です。ただし、自分にとってホワイトかどうかは離職率以外の条件も含めて判断することが重要です。
この記事では、5回転職した管理人が、注目すべき2つの離職率の指標から、ホワイトの目安、調べ方までをまとめました。
離職率でチェックしておきたい2つの指標
単に離職率といっても、計算方法によって新卒3年以内離職率、年度別の離職率、企業規模別の離職率、男女別の離職率、最終学歴別の離職率などさまざまです。
就職・転職では以下2つの離職率に注目すると良いです。
1. 新卒の3年以内離職率
2. 年度別の離職率
順番に見ていきます。
1. 新卒の3年以内離職率
新卒の3年以内離職率は、その名の通り新卒で入社した社員が3年以内に退職している割合のことです。
厚労省の「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」のデータで、新卒の3年以内離職率は以下のようになっています。
新卒3年以内離職率の平均値
31.5%(大卒の場合)
過去30年間の離職率は23.7%~36.6%の間で推移。
→新卒の3年以内離職率は30%以下がホワイトの目安になります。
企業規模別の新卒3年以内離職率
1,000人以上 25.3%
500~999人 29.6%
100~499人 31.8%
30~99人 39.4%
5~29人 48.8%
5人未満 55.9%
→企業規模が大きいほど離職率が低くなっています。
業界別の新卒3年以内離職率
宿泊業、飲食サービス業 49.7%
生活関連サービス業、娯楽業 47.4%
教育、学習支援業 45.5%
医療、福祉 38.6%
小売業 36.1%
不動産業、物品賃貸業 36.1%
その他サービス業 35.6%
学術研究、専門・技術サービス業 32.5%
建設業 28.6%
卸売業 28.0%
情報通信業 27.8%
複合サービス事業 26.9%
運輸業、郵便業 25.5%
金融業、保険業 25.1%
鉱業、採石業、砂利採取業 20.1%
製造業 18.5%
電気・ガス・熱供給・水道業 10.6%
→離職率は業界でかなり違います。
2. 年度別の離職率
年度別の離職率は、対象年度の初めの日に在籍していた社員が、年度内にどれだけ退職しているかを表しています。
厚労省の「令和4年雇用動向調査」のデータで、最新の2022年の離職率は以下のとおりです。
2022年の離職率の平均値
15.0%
過去15年間の年度別の離職率は13.9%~16.4%の間で推移しています。
→年度別の離職率は15%以下がホワイトの目安になります。
2022年の業界別の離職率
宿泊業、飲食サービス業 26.8%
その他サービス業 19.4%
生活関連サービス業、娯楽業 18.7%
医療、福祉 15.3%
教育、学習支援業、15.2%
全産業 15.0%
卸売業、小売業 14.6%
不動産業、物品賃貸業 13.8%
運輸業、郵便業 12.3%
情報通信業 11.9%
複合サービス事業 11.0%
電気・ガス・熱供給・水道業 10.7%
建設業 10.5%
製造業 10.2%
学術研究、専門・技術サービス 10.0%
金融業、保険業 8.3%
鉱業、採石業、砂利採取業 6.3%
業界ごとに大きく違うので、志望業界のものを見ると良いです。
離職率だけじゃ自分にとってホワイトかは分からない
業界や会社を選ぶ上で離職率はあくまで参考程度。
というのも、離職率だけでは自分にとってホワイトかどうかは分からないからです。
中にはきついから離職率が高いのではなく、IT業界のように、転職しながらキャリアを作るのが当たり前の業界や、人材・コンサル・クリエイティブ業界のようにフリーランス・起業する人が多い業界もあるからです。
僕自身、新卒では離職率が低い、平均勤続年数15年以上の大手食品メーカーに入社しましたが、配属ガチャに外れて2年半で辞めた経験があります。
なので、離職率だけで判断せず、合わせて、自分が重視している条件や、業界への興味度、社風が合うか、なども総合的に見て判断することが重要です。
企業ごとの離職率の調べ方
就職四季報
就職四季報をみれば離職率、新卒3年以内離職率がわかります。総合版、優良・中堅企業版、女子版がありますので、状況に合わせて使いましょう。
新卒ナビサイト
新卒ナビサイトのマイナビやリクナビを見れば、新卒の過去3年間の離職者数が分かります。
●マイナビの場合
企業ページ > 会社概要 > 採用実績 > 過去3年間の新卒離職者数
●リクナビの場合
企業ページ > 採用情報 > 職場情報 > 過去3年間の新卒採用者数・離職者数
「企業名 離職率」でググる
「企業名 離職率」でググって調べると離職率のデータが出てくることがあります。
ネット上の口コミは信憑性が怪しいため、鵜吞みにせず、出典元が明記されているものを参考にしましょう。
転職エージェントに聞く
転職エージェントにその企業の求人の取り扱いがあれば、離職率のデータを持っている可能性があります。気になる企業については転職エージェントに登録して聞いてみましょう。
企業に直接聞く
面接の逆質問時などに企業に直接聞く方法です。
ただ、ストレートに聞くと評価を下げられてしまう可能性があり損なので、たとえば、「長く勤めたいと思っているのですが、みなさんの平均勤続年数はどれくらいですか?」といった聞き方をするのが良いと思います。
その他:有価証券報告書
上場企業の場合、有価証券報告書を見れば平均年齢や平均勤続年数が書かれています。これらのデータから離職率をイメージすることができます。
●有価証券報告書の見方
1. EDINETにアクセス
2. 企業名で検索
3. 従業員の状況 > 提出会社の状況 > 平均年齢、平均勤続年数
まとめ:離職率以外の項目も合わせて総合判断!
あらためてこの記事の結論。新卒の3年以内離職率は30%以下、年度別の離職率は15%以下がホワイトの目安です。ただし、自分にとってホワイトかどうかは離職率以外の条件も含めて判断することが重要です。
会社選びで失敗しないために、転職会議(登録無料)などで口コミもチェックしておきましょう。