「Webディレクターの大変なところが知りたい」
「Webディレクターになる前の心構えをしておきたい」
今回はそんな方向けに記事を書きました。
僕のWebディレクター時代の経験から、大変だったことを11個紹介します。
Webディレクターの働き方のイメージ作りの参考にしてください。
Webディレクター時代に大変だったこと
1. 納期が短いと残業続きで激務になりきつい
通常は半年かけてやるボリュームを3か月で納品しなくちゃいけない案件が来たときは大変でした。
Webサイトの仕様やページ構成、文章、デザインを、都度、お客さんに確認しながら作業が進むため、外注の制作会社からデザインが夜7時までに上がってくるから、デザインが上がったらすぐ確認して、お客さんに提出する。
修正があればすぐに制作会社に直してもらって、再度チェック。
終電ギリギリでお客さんに提出して家に帰る、なんて日々が2か月続いてクタクタになったことがあります。
他にも、新しく会社が立ち上がるから2週間でWebサイトを作って欲しい、なんて依頼もありました。
要望を聞いていくと30ページくらいのページ構成になり、さすがに無理なことを説明。
まずは2週間でトップページを公開することを優先して、徐々にページを増やしていくことにしました。
デザインも一から作るとなると時間がないので、いくつかのパターンの中から選んでもらい、1度決めたら方針は変えられないこと、修正は1回まで、などちゃんと説明した上で公開まで一直線に対応しましたね。
2. クライアントとのコミュニケーション
クライアントと意思疎通が上手く取れなくて大変なことがありました。
ワイヤーフレームで8稿まで行った時です。
大手の企業お客さんあるあるかもしれませんが、担当者が複数人いた時で、メイン担当のAさんと話を進めていて、途中からBさんが意見を挟むことになり、最後にCさんも登場してきて振り出しに戻る、なんてことがありました。。
納期を決めた上で、修正回数と制作スケジュールを決めていく中、新キャラの登場でそれがひっくり返されてしまうと痛い目に合います。
がんばって作ったものを何度も白紙にされると、チームの士気が下がってしまうので、時にお客さんに釘を刺すことも必要です。
3. Webデザイナー・Webエンジニアとの意思疎通
WebデザイナーやWebエンジニアとの意思疎通が図れなくて大変なことがありました。
Webデザイナーが外注さんで多忙だったため、対面で打合せをすることができず、電話とメールでやりとりを進めたときです。
納期も近くて、お客さんの要望もふわっとしていて、デザインの完成イメージがなかなか掴めず、きつい。
さらに、電話やテキストでお客さんから指示が来たときに、そこから具体化するのが難しい。。
Webエンジニアとも同じように、コミュニケーションエラーで大変な場面がありました。
伝言が上手く伝わらずに、なぜか古いバージョンのソースコードで作業が進んでしまったり、更新しているはずなのにソースコードが先祖返りしてしまう、修正指示以外の場所が変わっていてチェックが漏れて公開→お客さんからクレームが入る、なんてことがありました。。
できるだけ視覚的、具体的に、チェックリストを作るなど、お互いに認識を合わせながら進めるのが大事です。
4. スケジュール調整が多い
スケジュール調整が多くて大変な場面は結構あります。
Webディレクターはクライアント、自社社員、外注先、営業マン、Webプランナー、Webプロデューサー、Webデザイナー、Webエンジニア、Webマーケター、Webライター…などなど、関係者が多すぎる!
なので、クライアント都合や、制作側の都合、営業都合などでスケジュールが動くと、後の工程を全部調整しないといけないんです。。
スケジュールの変更による影響を関係者全員に確認して、スケジュール表に落とし込む作業。
これが地獄で、酷いと半日以上スケジュールとにらめっこしてる日なんてのもありました。。
現場によってはエクセルでスケジュールを作っていることもあり、1マス1マス色を塗り変えてスケジュールを書き直し、なんてこともありましたね。
思い出しただけでぞっとします、、。
5. 予算管理
半年~1年がかりの大型案件では、超概算見積もり→概算見積もり→実績請求という請求管理をするケースがあります。
そんなときに、
超概算見積もり → 前例がないとどれくらいの塩梅で出せばいいのかわからない。
概算見積もり → ページ数や仕様が決まらないと現実に近い数字を出せない。
実績請求見積もり → 想定よりも多い/少ないとお客さん/営業担当に何で?と問い詰められる
といったことが起こります。
予算はいい具合に組んで、ちょうどいい具合に使うのがポイントですね。
また、営業担当が実績を作りたいがために、制作コストのことを考えずに破格の値段で受注したこともあります。
赤字覚悟で取りに行く、という方針だったら良かったのですが、「予算これでよろしく」と。
営業vs制作の予算問題が勃発しましたが、結局営業に赤字を計上しましたね。
6. 数値責任を負う案件だとしんどい
Webディレクターは会社によって売上や原価、PV、問い合わせ獲得件数などの数値責任を負うことがあります。
僕の場合はSES会社で客先常駐していたときに工数目標があったのが一番大変でした。
工数目標は「月にどれくらい制作してね」というもので、簡単に言えば「月にこれだけ稼いでね」という売上目標。
例えば、月の工数目標が120時間で、Webサイトを1ページ作るのにWebディレクションに8時間かけられるなら、月に14・15ページ作らないといけない計算です。
時期によっては案件数が少ないこともあり、Webディレクションだけでは目標工数を満たさないことも。
その場合はWebデザインやコーディング、アクセス解析のレポート作成など、自分で仕事を取りに行くことも。
自分で仕事を取って、自分で作って、納品する。
気分は個人事業主ですね(個人事業主経験はないですが)。
7. メンバーアサイン
Webディレクターはメンバーをアサインするのも大事な仕事。
お客さんの要望を叶えるデザイン力、技術力をもったデザイナーやエンジニアが見つからずに外注先を探し回ったり、制作陣が忙しすぎてキャパオーバー。
結局Webディレクターまで駆り出されて社員総出でデザイン・コーディングを進めたり、なんてこともありました。
8. 文字校正
文字校正は、毎回神経を使います。
世の中に公開する情報なので、まず間違えてはいけないし、金額が絡むと賠償問題になってしまうからです。
Webの現場では、基本的には原稿はお客さんから支給してもらって、制作時はそれを流し込むだけ。
これが鉄則です。
ただ、時間がない・面倒くさいなどの理由から原稿流し込みルールが守られていないことがあって、結構な確率で誤字・脱字が起こるんですよね。。
そして、世に公開する前の最後の砦がWebディレクター。
目視、原稿のフレーズごとに検索一致を確認、差分チェックツールで比較するなどさまざまな手を使って原稿をチェックします。
また、原稿作成まで依頼されている場合は特にシビア。
目視、印刷して指差し確認、音読、校正ツールを使うなど、色んな方法で原稿確認を行います。
原稿をブラッシュアップするたびに、最新の原稿が一言一句更新されているかをチェック…。
LPとか5000文字を軽く超える長文コンテンツはまじキツイ。
修正回数が上がるたびにヒーヒー言ってました(苦笑)
9. デザインチェック
デザインチェックは慣れるまではかなり大変だったのを覚えています。
デザインの良し悪しの判断をしにくいからです。
始めのうちは「デザイン=センス」という発想があって、自分の好みやお客さんの好みをあれこれ考えながら進めていました。
でもやっていく内に、「デザイン=情報設計」という視点で見れるようになってくると一気に視界が晴れる感じ。
基本は要素の過不足がないように、テキストを正しく使うように、Webサイトを使うユーザーはどんな人で、普段どんなサイトを使っているかを想像できるようになるとスムーズに作業が進みます。
デザインが上がったら、お客さんにさっさと提出して見てもらったほうが早いことが多いです(笑)
10. ブラウザチェック
Webディレクターで欠かせない仕事がブラウザチェック。
Webサイトのテスト構築時、本番公開時に行うもので、要はデザインカンプ通りにWebサイトが作られているか?をWeb上でチェックする作業です。
Chrome、Safari、Edgeの最新版で!となればまだ良いのですが、ブラウザの種類とバージョンまで指定されることがあります。
で、基本は実機でのチェック。
IEで表示が崩れる、デバックモードで見たら問題ないのにiPhone実機で見たらデザインが崩れてる、なんてことはザラにあります。
すべての実機がある訳でもなく、どこまで最善を尽くせるか問題もある。
本番公開時は公開後すぐに全ブラウザの表示を確認して、お客さんになるはやで報告しないといけない場面もあり、時間との闘い。
他のディレクターに手伝ってもらったり、デザイナーやエンジニアと協力して公開時チェックをする、何てことも多いですね。
11. アクセス解析の考察
アクセス解析レポートを作るときの、考察をつけるのが大変でした。
Googleアナリティクスデータから数値は拾えます。
ただ、どうしてそうなったのか?は考えなくてはいけません。
施策の効果か、施策を打ったのに変化がなかったのはなぜか、何もしていないのにアクセスが増えたのはなぜか…など。
検索エンジンのアップデート、季節的なもの、業界や世の中の動き、施策、自社で管理する他のサイトの施策、展示会やセミナーを開いていたり、店頭イベントを行ったなどのWeb以外の動きなど、考えられるだけの要素をならべて考察するので、結構脳みそに汗をかきます。
まったく検討がつかない時は一晩寝かせてまた悩む。
時間がないから妥協して取り合えずの理由をつける…
そんな仕事でした。
行き詰まると、HPをかなり持ってかれます(笑)
まとめ:Webディレクターの大変さは会社による
Webディレクター時代に大変だったことを紹介しました。
でも、Webディレクターが大変かどうかは結論、会社や担当案件によります。
なので、会社選びが大事。
Web業界はクライアント→制作会社への下請け構造を取る。
そして、下請けは二次請け、三次請け・・・と多重構造。
下流の下請け会社に行けば行くほど、納期や予算など、しわ寄せがきてキツくなる。
利益率も低くなるので、多くの仕事を担当しないといけなくなり激務化しやすい。
そして給料も安くなる。
なので、企業選びのポイントは、事業会社を選ぶか、できるだけ元請けに近いWeb制作会社を選ぶことがポイントです。
なるべく転職エージェント経由で応募するとブラック企業に当たる可能性が下がるのでおすすめです。
未経験からWebディレクターになりたい人向けのおすすめ転職エージェントはリクルートエージェントとdodaです。
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未経験からWebディレクターになる方法については以下の記事にまとめています。

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